2021クラファン成功祈願!|カラダと素直に生きること|シノ
- 実行委員
- 2021年6月4日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年7月14日
社会や世の中を変えていきませんか?
実行委員のシノです!今日は僕の「カラダ」の話をします。

僕はトランスジェンダー・FTMです。
性別適合手術を受けて、戸籍訂正をして現在は男性として生活していますが、生まれたときは女性でした。
母に似て女性的な顔、声も高くて、体毛も薄いからヒゲもほとんど生えません。
若い時はよく「バレて」いました。
いわゆる「パス度=生まれた性別に気づかれない度合い」が低かった僕は、とにかくステレオタイプの男性像を追いかけていました。

僕の青春は「おなべバー」に捧げました。
※おなべ:FTMであることを水商売として売りにする言葉。現在は蔑称でもあります。
商売として自分の性別を売ることの引け目を感じなかったわけではありませんが、それよりも同じ境遇の仲間との日々や、自分のマイナスを笑いに変えることで自分自身の憎んでいた部分を許せるようにもなっていきました。
それでも時に落ち込むのが人間というもの。
「やっぱり女っぽさが残ってるな」
「元々女なのに無理してるな」
いつもは笑い飛ばせる言葉が深く深く胸に突き刺さる日もありました。
そんな中、ある言葉に出会います。
三原ミツカズの「死化粧師」というドラマにもなった漫画の中のセリフです。
酔っ払いがとある美しい人に絡みます。その人は女性に見えますが、体は男性だということに気がつくと酔っぱらいは「なんや オカマかい!」と暴言を吐きます。そこで彼女は優しくこう返します。
”おじさま 人が数十年培ってきた内面を たった2、3秒見た外見で判断するのは乱暴じゃないかしら”
このしなやかさに、当時の僕ははっとさせられたのを覚えています。
人の心無い言葉に一喜一憂してしまうのは相手の思うつぼ。それだけではなく、皮肉まじりに諭してあげる彼女の生きる強さに感動しました。
僕はこのカラダが嫌いでした。それでもこのカラダで生まれたから今があって、経験があって、楽しい人生がある。それを知らない人がけなしたり、無理に自分をねじ曲げて生きるのはなんだか違うかもしれない…。
それから僕は「ありのままの自分」を探し始めました。
どうしても共存を許せなかった乳房と子宮は摘出する手術を受けます。

無理に男らしくするのもやめました。
すぐ泣くし、おせっかい焼きだし、お母さんみたい。
しかしそれも僕らしさだったのです。

好きな服を着て、好きな髪型をして、素直に生きること。
受け入れたらとっても楽でした。
いまでも非難されたり、悲しい思いをすることは少なからずあります。
そんなときは、この人は僕に興味があるんだな〜、僕のこと気になるんだな〜と思うとあんまり気にならなくなりました。
このナルシストっぽい切り替え方はけっこうおすすめです。
ときどき、やっぱり体のことで辛くなることも少なからずあります。
そんなときは、平になった胸を撫でて「よくここまで頑張ってきたんだから、あとは楽しいことしか残ってないから大丈夫」と言い聞かせるようにしています。
僕が培ってきた内面を誰も判断することはできません。
僕が決断してきた体の話を批判することは誰にもできません。
これはトランスジェンダーに限らず、誰にとっても同じことなのではないでしょうか。
もしあなたの近くに、昔の僕のように悩んでいるひとがいたらその人の話を聞いてあげてください。
そして、ぜひその人のいいところ・素敵なところを教えてあげてください。
僕がかつて漫画の彼女に出会えたように、誰かが誰かに出会うことで素直に生きていけるきっかけを見つけられることを願っています。
社会や世の中を変えていきませんか?
みなさんと一緒に!

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